Part 1 鴨川の浜の変化
話:上田真寿夫

◆鴨川の海はポケットビーチ

過去30年で海岸が変わってきた部分を一人でも多くの人に知っていただいて、これから10年50年先にどういうふうに海岸を守っていくかを考えて行かなければいけないと思います。海岸というのはものすごくデリケートな場所だということをつくづく感じています。

これが、現在の鴨川の簡単な状態です。
"マルキ"というのは、サーファーの専門用語のような呼び方で、もともとここの海の前にマルキ食堂というのがあったそうでそれでここが"マルキ"と呼ばれています。 "グランド下"というのはグランドホテルの下の辺りのことです。ここが"マリーナ横"という呼び方をしておりますが、ここに鴨川のマリーナが新しく出来たのが、95年から98年です。

現状をこうやって見てもらうだけでも、海岸の変化というのがわかると思います。
去年から海岸の浸食が激しいので、グランド下のこのコンクリートは、昔、砂が覆い被さっていました。が、今年の3月ぐらいには、写真のように剥き出しになっています。
ここのマリーナ横ですが、なかなか写真では距離感がつかめませんが、かなりの砂が堆積しています。


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Part 2 いのちの海
話:平本紀久雄

◆海岸は砂浜と磯で一単位  

磯(岩場)の大切さについて、最近はずいぶん認識が改まってきました。以前は道路工事などで磯が埋め立てられ、房州でも磯がだいぶ減ってしまいました。

一方、砂浜ではどうでしょうか。今もあちこちで埋め立てられているのではないでしょうか。「磯は必要だが砂浜は要らない」と云ったら語弊がありますが、そういったところでしょうか。ところが、そういう云い方は成り立たないのです。なぜなら、海岸は磯と浜とで一組(1単位)になってできあがっているからです。

鴨川でも、砂浜(ポケットビーチ)の東条海岸や前原海岸は南北の磯にはさまれた鴨川海岸すべてで1単位になっています。ですから、どこか1カ所で堤防などの構造物を築くと、必ず湾内のほかのところにひずみが出てくるのです。

繰り返し云いますと、自然の磯と浜は永い歴史をへて海流や潮流と調和していまの形になり安定しているのですが、それを人為的にいじるとバランスが崩れてしまう。
国土交通省河川局のHPによると、千葉県は鹿児島や新潟県とならんで、全国でワースト3に入る海岸侵食先進県?だそうです。とくに九十九里浜で深刻です。長さ60qにおよぶ九十九里浜の南北両側には屏風ヶ浦と太東崎という海食崖があります。ここの土砂が削りとられて、数千年かけていま見られるような広大な九十九里浜が出来上がったのですが、現在どちらの崖も消波ブロック(テトラポットは商標)でほとんど囲われてしまったものですから、土砂が流出しません。計算では、今後数十年で九十九里浜がなくなると云われています。元に戻すためには、毎年20万トンもの土砂を入れなければ追いつかないそうですから、とてもできる相談ではありません。 日本全国の海岸の砂浜は今後15年たつと、三宅島の面積がそっくりなくなってしまう勢いで減り続けているそうです。

◆森は海の恋人

「森は海の恋人」という言葉がありますが、最近では沿岸の水産生物を増やすために、森や林をまもり・川をきれいにしようという運動が各地で展開されつつあります。磯はアワビ・サザエ・イセエビなど高級水産物がとれるばかりでなく、いろいろな生物の産卵場や保育場になっていますので、海中林の造成など環境づくりが具体的なテーマになりつつあるように見受けられます。

一方、砂浜海岸の場合はどうでしょうか。「砂漠と同じように役立たないから、いらないよ」といったところでしょうか? ところが砂浜域は、鴨川湾を考えたばあいでも、チョウセンハマグリとか最近ではダンベイキサゴ(地方名、ながらみ)が獲れますし、ヒラメ・カレイといった底魚も一年中生息しています。加えて、イワシのような回遊魚の稚魚(しらす)が一時的にせよ、生活の場としています。とくに、大きな川の河口域に稚仔魚や小魚が集まる。それは陸から栄養分の豊富な川水が流れてきて、稚仔の餌となるプランクトンを発生させるからです。ところが、川水が汚れ、毒が含まれていたら話はまったく逆になってしまいます。

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Part 3 海の中に生きるもの
話:成田均

◆ジャック・マイヨールとのこと

ジャック・マイヨールと出会ったのは、1969年でしたが、僕が英語をほとんど話せなかったために、また彼が日本語を話せなかったために我々は30年以上に渡って友情を暖める事が出来た、と思います。ジャック・マイヨールという人は、56歳の時に素潜り105mという、当時、常識では説明のつかない記録を作ったことでも有名ですが、晩年は、「人類がこの地球でどう自然と共生していくか」というテーマで、彼独自の考えを講演して歩いたことでも知られています。イルカやクジラは6000万年前にこの世に生まれて、人間は350万年前にこの世に生まれた。地球という一つの生命体を見たときに、バクテリアを含めたあらゆる生き物は、種の存続のために生きているのだけど、最後に現れた人間だけが勝手過ぎるのではないかと。文明を手に入れた人間が縄文時代に戻るわけには行かないけれども、テクノロジーをこれ以上進めてはいけない、半分は捨てる勇気を持とうじゃないかということです。ホモデルフィナス・イルカ人間というのがジャックのロゴマークなんですけど、これは陰陽から出来ていて、一つのものがあって、光が当たれば半分は明るいけれど、半分は暗いじゃないかというジャックの考え方を示しています。だから、人間だって偉そうなことばかりいってないで、イルカ達を見習おうじゃないかという発想ですね。


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